今年初で読んだ文庫本です。文芸誌などは読んでましたが、文庫本は1冊目。
杉井光さんの『世界でいちばん透きとおった物語』。
オススメによく出てくるので気になって購入してみました。
うん、すごい、面白い。
それ以上はネタバレになるので何も言えないのです。
気になったら是非お手に取って読んでみてね。(なんていう感想)
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(以下ちょっとネタバレになるので注意です)
「紙の本でしかできない」「文庫本だけの出版」などのキーワードから、
本が好きな人はちょっと気付いてしまうんですよね、きっとあれ系ではないかと。
ただし、これを執筆したという事実が本当にすごい。
仕掛けに気づいた後は、何度も何度も読み返してしまいます。
読み始めからなんだか違和感のある文章だな、と思いながら読み進めていたのですが、なるほど、こういうことか。
電子書籍が主流になりつつある今、こういった紙ならではの作品がでてくることが面白い。
私は小説は断然、紙派なのですが、紙ならではの叙述トリックはもっともっと欲しいですね。
あとがきに出てくるA先生は泡坂妻夫先生のことかなと思います。
紙媒体ならではの仕掛けの元祖ですね。
久しぶりに読んでみたくなりました。
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また、この小説を読みながら、昨年出版された『逆転美人』(藤崎翔)を思い出しました。
『世界でいちばん透きとおった物語』が好きな人は↓も好きなはず。
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最近、面白い取組みをされているなと思うのが道尾秀介さん。
紙媒体ならではの作品(『N』とかかな)や、書籍外に真相をつなげる作品(昨年出版された『きこえる』とか)など、斬新な発想でとても楽しませていただいております。
*『N』は電子書籍でも出ているみたいですが、紙が断然オススメです。
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